ノミネート一覧&投票 外国語映画賞

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『別離』イラン

プレゼンターのサンドラ・ブロックから作品名を読み上げられると、アスガー・ファルハディ監督の隣席にいた男性が立ち上がって高々とガッツポーズを決めた。その男性としっかり抱き合って喜びをかみしめるファルハディ監督は、落ち着いた足取りでステージに上がり、軽く両手を広げて喜びを表し、オスカー像を受け取った。

「この受賞をイランの皆さんが喜んでくれていると思います。でも、今、戦争に巻き込まれようとしています。この賞をイラン国民にささげます。」と、イランの不安定な国情を踏まえたスピーチをした。イラン映画が外国語映画賞に輝くのは初めての快挙。(協力:WOWOW/文:シネマトゥデイ)

『別離』イラン

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『別離』

(C) 2009 Asghar Farhadi

ストーリー・見どころ

イラン人夫婦に訪れる危機を軸に、人間の複雑な心理と共に社会問題をも浮き彫りにし、ベルリン国際映画祭金熊賞などを受賞した人間ドラマ。『彼女が消えた浜辺』のイラン映画界の異才、アスガー・ファルハディがメガホンを取り、濃密ながら壊れやすい家族の関係を繊細に映し出す。娘のために外国への移住を決断する妻をレイラ・ハタミが、父親の介護のためにイランに残りたい夫をペイマン・モアディが好演。波乱含みの様相にさらなる秘密とうそが絡み合い、スリリングに転がっていく展開に心を奪われる。

スタッフ・キャスト

監督: アスガー・ファルハディ
キャスト: レイラ・ハタミ 、ペイマン・モアディ 、シャハブ・ホセイニ

『闇を生きる男』ベルギー

『闇を生きる男』

Courtesy of Savage Films

ストーリー・見どころ

畜産業を営むジャッキーは、獣医から怪しげな精肉業者と取引することを持ち掛けられる。そこから警察官の暗殺事件や、ジャッキーの過去の秘密なども絡み、衝撃的な物語へとつながっていく。ベルギー畜産業とマフィアの関係を浮き彫りにした、骨太な社会派映画。スタイリッシュでダークな映像美により、人間の欲望に鋭く切り込んだ監督のミヒャエル・R・ロスカムは、本作が初の長編作となる。ジャッキー役のマティアス・スーナールツは、出演作『ロフト.』(2008)が日本でも公開されている。彼を中心に俳優たちの緊迫感たっぷりの演技に引き込まれつつ、予想外の負のスパイラルに巻き込まれていく主人公に、誰もが感情移入してしまう。

スタッフ・キャスト

監督: ミヒャエル・R・ロスカム
キャスト: マティアス・スーナールツ

『フットノート(英題)』イスラエル

『フットノート(英題)』

Courtesy of Sony Pictures Classics

ストーリー・見どころ

共にエルサレム大学でタルムード(ユダヤの律法とその解説)を研究する、父と息子。頑固で時代遅れな父のエリエゼルに対し、息子のユリエルは学会の寵児(ちょうじ)として、仲間からもてはやされる存在だった。しかしエリエゼルがイスラエルでの重要な賞を受賞することになると知らされてから、形勢は逆転。父子のライバル関係が展開していく。学会の特殊な現実を背景にしながら、親子の屈折した感情をシニカルに、そして普遍的に描いた秀作。テンポのよい会話が絶妙なユーモアを生み、監督・脚本を手掛けたヨセフ・シダーは、カンヌ国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞。父子を演じたシュロモ・バー・アバとリオル・アシュケナジは、それぞれイスラエルのアカデミー賞で主演&助演男優賞に輝いた。

スタッフ・キャスト

監督: ヨセフ・シダー
キャスト: シュロモ・バー・アバ、リオル・アシュケナジ

『ソハの地下水道』ポーランド

『ソハの地下水道』

Courtesy of Sony Pictures Classics/Robert Palka

ストーリー・見どころ

レオナルド・ディカプリオ主演の『太陽と月に背いて』(1995)や、ファンタジックな感動作『秘密の花園』(1993)など、母国ポーランド以外でも活躍するアグニエシュカ・ホランドが監督。彼女の作品がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるのは本作が初めて。第2次大戦下、ナチスが侵攻したポーランドで、虐殺から逃れたユダヤ人たちと出会った下水道作業員のレオポルド。最初は金を目的にユダヤ人を地下水道にかくまう彼だが、やがて両者の間には深いきずながはぐくまれていく。実話を基に、当時の状況を生々しく描いた人間ドラマ。レオポルドをポーランドの名優、ロベルト・ヴィエツキーヴィッチが演じるほか、『エーミールと探偵たち』(2001)などで知られるドイツ人女優のマリア・シュラーダーらが脇を固める。

スタッフ・キャスト

監督: アグニエシュカ・ホランド
キャスト: ロベルト・ヴィエツキーヴィッチ、マリア・シュラーダー

『ぼくたちのムッシュ・ラザール』カナダ

『ぼくたちのムッシュ・ラザール』

micro_scope inc.(C) 2011 Tous droits reserves

ストーリー・見どころ

自殺した小学校教員の代理を務めることになった、アルジェリア移民のラザール。カナダの学校を舞台に、ラザールの伝統的な指導方法が、生徒やほかの教師たちの心を開かせる感動ストーリー。自分の苦境や過去の悲しみは周りに悟らせず、生徒に人生や死の意味まで教える。そんなラザールを好演するのは、自身もアルジェリア出身のモハメッド・フラッグ。監督のフィリップ・ファラルドーは、名優ジャン=ピエール・カッセルも出演した『コンゴラマ(原題)』(2006)が各国で絶賛され、『本当に僕じゃない!』(2008)は日本の映画祭でも紹介された。教師の死体を発見した少女をはじめ、複雑なシチュエーションの生徒たちをみずみずしく演じた、子役たちも素晴らしい。

スタッフ・キャスト

監督: フィリップ・ファラルドー
キャスト: モハメッド・フラッグ

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